段取り × PDCA どんな関係があるのか?

こんにちは!
tomato-noteです。

今日は「段取り × PDCA」という、ちょっと真面目だけど、実は日常にもゴロゴロ転がっているテーマについて書きたいと思います。

「段取りって大事らしいよ」
「PDCA回せってよく言われるけど、正直ピンと来ない」
こんな声、けっこう聞きます。

しかも、新卒の方や若いエンジニアほど、
「段取りって、つまり計画立てればいいんですよね?」
と誤解してしまうことも多いです。
段取りとPDCAって、世間で言われている関係とはちょっと違うんじゃないかな?
ということに。

今日はそのあたりを、できるだけ優しく、できるだけ楽しく、お話ししてみたいと思います。


●「段取り=計画を立てること」って本当に正しい?

まず、多くの本や研修が言う代表的な説明があります。

段取りとは、作業の手順を整えてスムーズに進めるための準備です。
PDCAで言えば、Planにあたります。

確かに間違ってはいません。
味噌汁に味噌を入れるような、誰も怒らない説明です。

でも、いざ現場で使おうとすると、なんだかうまくいかないんです。

「Planは作ったけど、現場では全然その通りに進まない」
「Doのところで手戻りが起きる」
「Checkもなんだかグダグダになってしまう」

これは、段取りを“計画を作ること”と狭く捉えすぎていることが原因かもしれません。


●段取りが悪いと、PDCAは全部崩れます

これは僕の持論なのですが、
段取りはPDCAのPだけではなく、PDCA全体の土台です。

もう少しだけ優しく説明すると、

段取りが弱いと、PDCAは回り始める前にズレてしまいます。

家庭料理でたとえると分かりやすいです。
カレーを作るとき、材料が揃っていないのに鍋を火にかけても、焦げるか、具が足りなくて微妙な味になります。

同じように、プロジェクトも前提条件や情報が揃っていないのに進めると、途中で何度も止まり、手戻りが増えます。

つまり、段取りというのは **「P(計画)を作る前に、計画が作れる状態にする作業」**なんです。

これは結構違います。
そして、意外と盲点です。


●PDCAの各フェーズにどう影響するのか?

ここは少し専門的ですが、ざっくり説明します。

◎ Plan(計画)

段取りで前提が揃っていないと、計画自体がズレます。
例えば「要件が曖昧なままスケジュールを引く」みたいな状態です。

◎ Do(実行)

認識ズレがあるまま実行すると、作業者ごとに成果物が違います。
家族でカレーを作るのに、誰が何を入れるのか決めないまま作り始めるようなものです。

◎ Check(検証)

段取りで「何をもって完成とするか」を決めていないと、チェックが曖昧になります。

◎ Act(改善)

原因分析をするときに前提が整理されていないと、改善ポイントが見えません。
「なんかうまくいかなかったね」と言い合うだけになりがちです。

つまり、段取りはPだけじゃなくて、PDCA全部の“基礎体力”なんです。
ここが意外なポイントであり、よくある説明との大きな違いだと思っています。


●では、段取りってどうやればいいの?

ここでよくあるアドバイスがあります。

ちゃんと計画を立てよう
タスクを洗い出そう
スケジュールを引こう

これも悪くありません。
ただ、これだけだと新卒の方は困ってしまいます。

というのも、多くの人が陥るのは、

「そもそも何を前提に計画すればいいのかわからない」

という悩みだからです。

たとえば、旅行プランを立てるときでも、「予算」「日数」「一緒に行く人の好み」など、前提条件が分からないと計画なんてできませんよね。

段取りがうまい人は、この“前提条件を揃える作業”がとてつもなく丁寧です。


●段取りの基本は「3つだけ」です

僕が新人の人に最初に教える段取りは、もっとシンプルで、もっと実践的です。

① 目的とゴールをはっきりさせる

なぜやるのか、どこまでやるのか。
カレーなら「甘口?辛口?具は何?」です。

② 前提条件を揃える

関係者の認識、使う資料のバージョン、依存している作業などです。
「家族全員が食べられるか」を確認するのに似ています。

③ 依存関係を整理する

何が終わらないと次に進めないのか。
ジャガイモを切ってから煮込むような順番の話です。

これを短時間でざっと整えてから手を動かすだけで、品質が驚くほど変わります。


●「段取りが苦手…」という気持ちへの寄り添い

正直に言うと、段取りが苦手な人って多いです。
それは能力がないからではなく、段取りを“計画作り”と誤解しているからです。

本当は段取りって、もっと軽やかで、もっと現実的な技術です。

「今日スーパーに行く前に、買うものを3つだけメモする」

これだって立派な段取りです。

だからまずは、“完璧な計画を作ろう”と気負わないことが大事です。
段取りは、日常の延長線にあります。


●とはいえ、段取りはプロジェクトを救います

ここは少し真面目に。

段取りがしっかりしている人は、仕事のスピードが安定して、手戻りが少なくて、信頼されます。
そして、PDCAを高い精度で回せます。

僕の経験では、段取りが強い人は例外なく「この人と仕事すると楽だな」と言われます。
これは決して才能ではなく、習慣です。


●というわけで、段取り × PDCAは“成功しやすくなる考え方”です

最後にまとめです。

  • 段取りはPDCAのPだけではなく、PDCA全体の土台
  • 段取りの本質は「計画を立てる前に、計画が作れる状態にすること」
  • 目的、前提条件、依存関係を整えるだけで見違える
  • 完璧にやらなくていい。日常レベルの習慣が大事
  • 段取りができると心に余裕ができるので、仕事が楽になる

段取りは、あなたを“できる人”にする魔法ではありませんが、
あなたが“迷わず進める人”になるための地盤になります。

読んでくれたあなたの段取りが、少しでも軽やかになると嬉しいです。
それではまた、tomato-noteでした!