はじめに
データベースの値を検証する単体テストを作成する際、テーブル名が動的に決まる場合はEntity Framework Core(EF Core)が使用できません。そのような状況で、どのようにテストコードを書けばよいのでしょうか。本記事では、ADO.NETを使用して動的なテーブル名でデータベースの値をチェックする方法を詳しく解説します。
ADO.NETを使用したデータベースアクセス
ADO.NETは、.NET Frameworkに組み込まれたデータアクセス技術で、データベースとの直接的なやり取りが可能です。EF CoreのようなORMを使用しないため、動的なテーブル名にも柔軟に対応できます。
サンプルコードの解説
以下に、動的なテーブル名を使用してデータベースの値を検証する単体テストコードを示します。
Imports System.Data.SqlClient Imports Microsoft.VisualStudio.TestTools.UnitTesting <TestClass> Public Class DatabaseValueTest Private ReadOnly connectionString As String = "YourConnectionStringHere" <TestMethod> Public Sub TestDatabaseValue() Dim tableName As String = GetDynamicTableName() ' 動的にテーブル名を取得 Dim query As String = $"SELECT TOP 1 * FROM [{tableName}] ORDER BY SomeColumn" Using connection As New SqlConnection(connectionString) Using command As New SqlCommand(query, connection) connection.Open() Using reader As SqlDataReader = command.ExecuteReader() If reader.Read() Then ' データの検証 Dim actualValue As Object = reader("ColumnName") Dim expectedValue As Object = GetExpectedValue() Assert.AreEqual(expectedValue, actualValue) Else Assert.Fail("レコードが存在しません。") End If End Using End Using End Using End Sub Private Function GetDynamicTableName() As String ' テーブル名を動的に取得するロジックを実装 Return "YourDynamicTableName" End Function Private Function GetExpectedValue() As Object ' 期待される値を取得または計算 Return "ExpectedValue" End Function End Class
コードのポイント
- Imports文:
System.Data.SqlClient
とMicrosoft.VisualStudio.TestTools.UnitTesting
をインポートしています。 - connectionString:データベースへの接続文字列を指定します。
- GetDynamicTableNameメソッド:動的にテーブル名を取得します。
- SQLクエリの作成:
SELECT TOP 1 * FROM [{tableName}] ORDER BY SomeColumn
で一番上のレコードのみを取得します。今回は、一番上のレコードのみ検証したいため、これを入れています。 - データの検証:
Assert.AreEqual
を使用して、実際の値と期待される値を比較します。
注意点とベストプラクティス
SQLインジェクションの防止
テーブル名はパラメータ化できないため、動的に生成する際には入力値を厳密に検証する必要があります。不正なテーブル名が入力されると、SQLインジェクション攻撃のリスクがあります。
接続文字列の管理
connectionString
にはデータベースへの正しい接続情報を設定してください。接続文字列は機密情報を含む場合が多いため、ソースコードに直接書き込まず、設定ファイルや環境変数から取得することをおすすめします。
エラーハンドリング
本番環境では、例外処理を適切に行い、接続やコマンドのリソースを確実に解放するように注意してください。Using
ブロックを使用することで、自動的にリソースが解放されます。
まとめ
動的なテーブル名を使用した単体テストの実装方法について解説しました。ADO.NETを使用することで、EF Coreでは対応できないシナリオにも柔軟に対応できます。
- ADO.NETの活用:
SqlConnection
、SqlCommand
、SqlDataReader
を使用してデータベースにアクセス。 - 一番上のレコードの取得:
SELECT TOP 1
句とORDER BY
句を組み合わせて特定のレコードを取得。 - テストデータの管理:テスト用データベースやトランザクションを使用してテストの再現性を確保。
- セキュリティ対策:動的なSQLを使用する際には、入力値の検証を徹底。
今回の方法を活用して、より信頼性の高い単体テストを作成してみてください。
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